友人二人と三人で超高層ビルの屋上にいた。
空は真っ青、雲一つない晴天だった。
突然、轟音とともに旅客機が上空を通過、空には一直線の飛行機雲だけが残った。
飛行機雲の中には通常の飛行機雲とは違う「ケムトレイル」などという雲も存在するという説もあるので、疑惑の眼差しでその雲の様子を眺めていた。
すると突如、一直線の雲がグニャりと形を変えたかと思うと、一点に凝縮し始め、巨大な三角形の雲に変貌、まるでコンコルド機の様な形の雲に姿を変え、上空を旋回し始めた。
不気味なその巨大雲はビルの上空を二回ほど大きく旋転した後、西の空の方向に進んで行き、そのまま彼方に消えて行くかと思われたが、「もしや?こちらに向かって戻って来やしないだろうな?」と勘ぐりを入れた瞬間、なんと雲はくるりとUターンし、こちらの方向に向かって来た。
こちらに来ないで欲しいという思いが逆に雲を引き寄せてしまった様だ。
逃げようにも、ここは屋上。
さらに雲はもうあと100mって所まで近づいて来ている。
とっさに このままだと雲が通過する際に吹き飛ばされてしまうと思い、友人達にそこらに走っている配管に掴まる様、伝え、自身も渾身の力で配管にしがみついた。
遂に雲がビルの屋上鉄柵部を通過し目の前まで迫って来た。
それは水蒸気というよりは灰色の煙の様に見えた。
恐怖に駆られながらも、覚悟を決め、迫りくる雲の最初の第一波を顔面に浴びた。
目を細め、もくもくと過ぎ行く雲の粒子を凝視すれば、何かその中に黒い粒の様なものが混じっている。
これは吸い込むと病気になるやつじゃないか?と不安になり、必死に息を止めた。
息止めの限界が近づいた頃、ようやく雲が過ぎ去った。
ホッと安堵、友人達の無事を確認し、ぐったりと疲労を感じつつも、いざ地上に戻らんと、屋上階のエレベーター機械室の扉を開けた、その瞬間、何と!そこで またしても不可思議な光景が!
いつの間に、何処から入って来たのやら?男女合わせて十数人の宇宙人が我々を待ってましたかのように そこに立ちはだかっていた。
おそらく何らかの方法であの雲に紛れてやって来たのだろう。
その宇宙人達の外形はといえば、背格好は地球人とほぼ一緒なのだが、全身エメラルドグリーンのタイツの様なスーツを身に纏っており、露出部は顔だけである。
顔面は驚くべき事に銀色。
なぜか、宇宙人女性はスタイル抜群の美形揃いだった。
驚きと恐怖で胸が一杯一杯だったが、例えここで逃げ出しても、あるいは闘ったとしても良い結果をもたらさぬ事は明白だった。
ここは敢えて、彼らを排除しようとするよりも友好的に接した方が地球の為にもなると思われた。
まさに¨地球人の代表¨として自分がコンタクトを取る事に。
勇気を振り絞り、宇宙人のリーダーと思ぼしき者に話しかけた。
どうやら、彼らは「超」がつく程の知的生命体と思われる。
地球人の言葉も喋れれば、コチラが話さずとも何を考えているかを感知できる能力を持っているらしい。
普段は口を使っての会話をせずに、テレパシーで交信している様である。
そして、なんとも無理難題な要求を突きつけて来た。
「我々は地球人の生殖について観察したい。」と。
分かりやすく言えば、地球人の性に関する研究の為、今からここにいる宇宙人女性を一人選んでセックスする様子を見せてくれというのである。
一瞬、「ちょっと待ってくれ、それは…、」
と思ったが、衰えを知らぬ精力を持つ己…、いや、これは何よりも地球に住む全人類を救う為である…。
第一、拒否などすれば、これは用無しと一瞬にして葬り去られるに違いない…。
よし!地球人の代表としてやったろうじゃないか!
五人いる宇宙人女性を一人だけセレクトするなんてぇのもレディーに対し失礼な話だ!
こうなりゃ〜もうヤケクソ。
まとめて全員相手したらぁ〜!!
と服を脱ぎかけた瞬間、目が覚めた…。
おいおい…、
毎回、毎回…、
エッチな夢の時に限って…、
目が覚めるのが、ちょっとだけ早ぇえんだよ〜!(笑)
せめて夢占いでも調べて夢診断してみようかな?
「宇宙人女性とセックスし損ねる夢」
んなもんね〜よ!(笑)
おしまい。